うわ〜ん、涙とくしゃみが止まらないよぅ・・・・・・、という状態がしばらく続いたので、これはもしや部屋が埃っぽいせいではないか?と目星をつけ、季節外れの大掃除をする。

勘違いされては困るが、決して汚部屋などではない。むしろなんとなく綺麗にするのは得意なほうで、10分準備時間をもらえれば、いつでも友達を招き入れることは可能なくらいは整頓されている。しかし、見えないところを隅々までやるという作業は随分長い間放棄しており、ついには本棚に近寄ると、もれなく粘液が鼻腔から湧き出てくる、というまでになってしまった。

原因はたぶんあのシャワシャワな埃取りのせいだ。狭い所にまで手がとどき、被さる汚れをふわっと宙に浮かせてくれる、便利なアイツが裏切ったのだ。空中分解させることで一瞬消失したかのごとく感じるが、実は本質的になんら変わっていない。そんなことにも気づかなかった。私はアイツのことを信じきっていたのだ。強力な味方であると・・・・・・。

お手軽故に、本来拭き取るべき埃をパタパタシュパシュパ払っていた。用はそういうことだったのだ。そして徹底的に、出したり戻したりしながら吹いたり吸い込んだりその後貼り付けて除去したりした結果、なんとか正常に暮らせるようにまで戻った。よかった。

見かけの便利さに騙されてはいけない。振り返って教訓化すれば当ったり前の事だが、意外なところに潜んでいるそれから一生逃れられない、ということをしみじみ実感した一軒だった。