コマツさんは本日未明、突然マックシェイクが飲みたくなり、その加工食品を置いている店を見つけそこに足を踏みいれた。

カウンターまでいくとユニフォームを着たにこやかな女性に迎えられたコマツさん。何を履き違えたのか多少カッコつけながらお目当ての品を注文すると、申し訳ありません、当店ではその商品は扱っていないんです、と予期せぬ謝罪を受け動揺。じ、じゃあアイスコーヒーで…、と咄嗟の対応でその場を乗りきるもそんなものはまったく飲みたくなかった。

既にイートインを選択していたため、トレイに飲みたくもない飲み物をのせ半強制的に空いている席を探すはめになってしまったコマツさんは虚しさに襲われ、それと同時に現実を強引に変えることを決意、腰を落ち着ける前にコーヒーをずずずとストローで一気に吸い込み、カウンターから直でゴミ箱に向かうと、そこでカップを分解して捨て、何事もなかったかのように自動ドアを通り抜けた。

その先に本当の自由が待っている。そう信じての行動だったが、そこにあったものは当然ただのありふれた公道だった。