今一番フレッシュな笑いを届けているといっても過言ではない「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」 。今回も素晴らしかったですね。とんねるずのおかげでした自体が2時間15分の拡大版だったのですが、1時間半も食わず嫌いで引っ張られたので多少イライラしましたが、残りの45分で十分お腹いっぱいになれました。

さすがにマンネリ化してきたことは否めませんが、それでもレギュラー勢の洗練されたモノマネに圧倒されっぱなしです。「細かすぎて伝わらないモノマネ」と掲げつつも、実は「愛があれば伝わるモノマネ」がグランプリに輝いていますよね。今回の優勝者も正にそんな感じの人が選ばれました。「落合記念館に常に居るべき」とまで言わせた一般参加の牧田知丈さんです。美しいモノマネでした。自分は野球はほとんど見ないのだけれど、彼と360モンキーズのモノマネは笑いと共にうっとりしてしまいます。

俺は前回からの若いファンなのですが、余りに面白さに興奮しネット上で全動画を集めてしまったくらい一気にのめり込んだ(そのとき動画を提供してくださった方々ありがとう!)。今でも熱心で親切なファンの方がYOUTUBE等でUPしてくださっているので、未見の方は是非確認してみてください。

ということで(?)、いつものように俄か分析をしてみる。細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」のモノマネが今までのそれとどこが違うかというと、やはりあのモノマネ直後(たまに途中)に舞台の底が抜けて演者消える、落下システムでしょう。本当に「消える」ように居なくなるので、モノマネにハリがでてかつてない完成度まで高めてくれる。

過去似たような方法があったとすると、緞帳などがそれにあたるのかもしれない。演技が終わり急に幕が一気に下りてきて観客の視界から消える。しかしその方法だと「消えた」と同時に「幕が現れた」という印象も拭えない。「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」の落下システムは本人が下に落ちるので本当にに消えたように見える。背景は同じなのに演者だけ急にいなくなるのだ。しかも舞台にはなっておらず、審査員とフラットなステージでそれがなされていることが素晴らしい。つまり、番組のセットそのものが高くつくられているのです。

それだけで「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」のモノマネ革命を説明したことにはならないだろう。それはインパクトのあるキャラクターが登場するものの、過剰なモノマネを求めていないということに集約されるのではないだろうか。かつての「モノマネ歌合戦」なので象徴される、特徴を過激にフューチャーしたやり方はここでは王道ではない。どれだけ偽りなくコピーするかが重要で、さらに言えばその人の特徴が集中的に現れている名場面を独自に切り出した者が勝利する。

以前、審査員の一人でもある関根勤さんが、「関根さんのモノマネって、追随者というか後おいで真似する人少ないですよねー」という質問に、「僕の場合、できるかできないかじゃなくて、その人に本当になりたいって思ってるうちにモノマネになるんだよねー」と答えていた。愛犬のモノマネなんかは正にそれだと思います(笑)

そんなモノマネ界ではマイナーだった関根スタイル(というかマインド?)が、この「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」では前面に出てきているように思う。演者のモノマネ対象に向けられている愛情が感じとれる瞬間ってのが笑いを飛び越えて感動すらさせるのだ。

そういえば、関根さんは「笑っていいとも!」で恒例化している、顔だけ似てればいいという「身内自慢コンテスト」の司会もやっているなぁ。ほとんど瞬間芸ですよね、あれ。いやー俺なんかが考えるより、まだまだモノマネは奥深いのかもしれません。