斎藤美奈子『L文学完全読本』を読む。02年発売のため、今読んじゃったら完全とは言えないでしょう(本も生ものです)。というかそもそも、読めば読むほど「L(レディ、ラブ、リブなどの意)文学」の枠組みがよくわからなくなってしまう。『赤毛のアン』から笙野頼子さんの作品まで広がり、さらには漫画や音楽、ドラマまで手を出している。う〜む、これは♂文化のようにある分野にベッタリ付着するのではなく、幅広く様々なものを消費していく、もしくは幅広い分野に影響がみられるというのが、L文学を消費する女性の特性ということなのでしょうか。

扱う分野を広げまくっているせいで、細かく見ると「アレモ抜けテ〜ル、コレモ抜けテ〜ル」と言いたくなってしまうけど、大きく捕らえれば70年後半以降から女性の立ち居地や価値観がグガガガガガッと変化したことがよく分って面白かった。それは最近読んだ『若者殺しの時代』や、今月から始まった文化系トークラジオLIFEの最初(テーマ「バブル」)、そして前回(テーマ「After '95」)とも絡んでいたので、内容が広がっていった。

書いていて気づいたけど、LIFEって出演者いっぱいいるのにみんな男じゃん! 聴いていて自分で違和感もたなかったのも恐ろしい・・・・・・。LIFEというラジオはウェブ上で全トークをダウンロードできるようになっている(!)ので、聴いてなくても聴けます。わくしのはぶっ壊れてしまいましたが、なんとかポッドとかいう文明の利器をお持ちの方は無闇に落として聴けばいいと思います。持ってない人はPCで聴けばいいと思います。


漫画『24のひとみ』を読む。「私 ウソ好き ウソ吸って ウソ吐いて 生きる」(黒田硫黄『大王』より)を名言として愛すワタクシですが、それをハードコアに実践しているお方がいらっしゃいました。それはひとみ様という方で、なんと教職についてらっしゃるというのです。しかも何か重々しい目的を持ってウソをついているのではなく、とことん無意味にウソを吐いていらっしゃいます。びゅーてぃほーでございます。

漫画自体はうまいのか下手なのかよくわかりませんが、絵はあまりお上手ではありません。ところどころで見られる無意味なサイケデリックや幻影描写には、パンキッシュな印象すら受けます。とにかく変な漫画で、正直うまく消化できていません。それは安定した技術がないがための歪さなのかもしれませんが、ウソをつき倒すひとみ先生はそこでも十分輝いています。


ラジオを聴いていいたら大学の後輩が登場したのに、思ったほど驚かなかった自分に驚いた。


三角マロンパイ3個目。まだまだうまい。


L文学完全読本24のひとみ 1 (少年チャンピオン・コミックス)