映画の日なのでまた2本。

一本目は『ブラック・ダリア』。ネタ証はちゃんとしてくれるけど、入り組んでいてわかり難い。横で見ていた女の子二人組みは「うち理解度ゼロなんやけど、あははははは」と笑いあっていた。実際はそこまで複雑ってこともなく、観終えたあとにちょっと整理すればわかるくらいだけど、二転三転する展開に「驚き」感じられなかったのはそのせいかもしれない。

いい感じの奇人変人が出てきたので個人的には満足。前半いい女ぶっていていけ好かなかったスカーレット・ヨハンソンが、後半ちょっとアホっぽくなってくれたので嫌いにならないで済んだ。


二本目は『父親たちの星条旗』。戦争モノはあんまり見ないのだけれど、クリント・イーストウッドが監督なので観てみた。決して安っぽい皮肉にならず、事実を並べたように見えるのが凄い。そして並べられた事実を観た自分は、なぜだか笑いがこみ上げてきてしまった。目に映るもの全てが新手のジョーダンに見えてしまうのだ(特に前半)。もしくは受け取り側として自分がジョーダンにしたいのかも。エンディングがなかなかよくって、全体的にウンザリするような話が続いたののもかかわらず、あんなふうに開放的に終わるなんて予想できなかった。

あと戦争自体を善悪で語らなかったことも興味深い。反戦でもなければ、もちろん肯定しているわけでもない。『ジャーヘッド』もそんな感じがしたなぁ。戦争の善悪ではなく、戦争ってそもそもどういうもんなのか? 巻き込まれた人間はどうだったのか? そしてその後どうなったのか? 映画で伝えるのはそっちなんじゃーっ!ってことなんでしょう。

館内が明るくなると、横にいたHIPHOPスタイルの男二人組が「結局何が言いたいのかよくわかんなくね?」と言い合っているのが耳に入った。さっきの女の子たちもそうだけど、みんなわかんなかったら「意味わかんなくね?」って当然のように言うんですね。「マジ最悪だったよねー」とか言う人さえいるけど、せめて館内を出てから言ってください。良かったと思ってる人もいるんだから。