姉ちゃん買ったよ! 『エロの敵』を読みました。戦後アダルトメディア史の(たぶん)王道部分の変遷(雑誌→AV→ネット)をわかりやすく教えてくれちゃう本です。ワタクシは本書でいうところの「エロに金を払わない20代」。普段エロ雑誌やAVにお世話になっていないタイプなのですが、作中でちょろっと紹介されてもしている松江哲明監督の作品を偶然知って(というか劇場で観て)、その作品のレビューを書いていた共著者である雨宮さんに辿り着き、こっちのお話に興味を持っちゃったのです。

知っているようで知らなかったお話をたくさん知れたので、読んでいて楽しい。ちょっと前に読んだ塩山芳明『出版業界最底辺日記』でアダルト業界の曖昧な規制による振り回され具合とその衰退には驚いたけれど、この本はネガティブな面だけではなく、これからだってきっとこの辺(もしくは影響を与えた分野)で面白いことが起こるぞ!といった力強さが感じられました。

僕ら日本人はなぜか江戸時代文化をガッコーで学ぶ時、ぼやかされながらも「エロ文化は消しても消えねぇ」とうことを教えられてきた。そしてそれらがなんか奇妙で面白いってことも、今まで生きてきてなんとなくわかってしまった。そしてちょっと考えると、身近なものだけでもすんげぇ量のお文化ちゃんが構築されてることに気づく。きっとまだまだ面白いことがあったに違いないし、現在進行形でずっこんばっこん起きつづけているはずだ。風俗の変化も気になるし、ゲイカルチャーなんかもウィブで覗いてみるとトンデモネーことになっている。「Web2.0」なんて言われてるんだから素人投稿系サイトも面白くなってそうだし、ほとんど情報がない海外アダルトメディアの歴史なんかも気になるところだ(そこにアニメや漫画なんかを足したらスゲー量だよ!)。

恐るべしエロ。本書の最後でエロの敵としてその「価値」が失われていくこととあったけれど、そこがなんかしっくりこない。個人的には今後「エロに敵なし」といった状況が生まれてくるような気がするんだけどなぁ。


エロの敵 今、アダルトメディアに起こりつつあること (NT2X)