『誘惑される意志』を読む。よ、読みにくい。いや読みやすいんだけど、読み難い。読み・・・・・・解き難い? とにかく思っていたよりも時間がかかってしまった。身近な内容ってこともあり面白いんだけど、酔ってしまいそうなくらいうねうねしていて迷路みたい。途中から自分でキーワードを書き並べたり、そこに情報を書き加えたりしながらやっとのことで読了(山形さんの訳者解説を読んでちょっと救われ気になる)。これもきっと「簡単に(読み終える)欲望を満足させてはならないぞ!」という著者のやさしさに違いありません、あははは。

その読み辛さとは無関係に書かれていることはすんごーく面白い。なぜアル中はダメだとわかって酒が止められないのか? なんで止めたいという意志が都合よく働かないのか? そもそも意志ってなぁに? どんな役割を果たしてるの?なんてお話から、あの偉大なるお意志さまが我々に悪影響も与えてたりするのダ!なーんてことまで教えてくれちゃう。双曲割引なんていう、聞いたことはないけど普段実感としていつも持っていた仕組みで、あれもこれもついでにそっちもと色々説明してくれちゃうのです。

読み終えるとあまりにも身近な問題過ぎてちょっと複雑な気持ちに。ものがあり過ぎる現在を生きる自分の世代にとっては必須の問題意識なのでは? かなり応用できるはずだし、イヤラシイ自己啓発本なんかを何冊も読むくらいだったらゼンゼンまったく完全にこれを手に取ったほうがいい。でも手軽に勧める気にもなれず。うーん、もっと読みやすい一冊が欲しいところです。


偶然(?)にも↑の訳者である山形さんの『コンピュータのきもち』も読み終える。最近出た『あたらしい教科書〈9〉コンピュータ』の予習のつもりで手に取ったんだけど、こっちでなんとなく満足しちゃってあたらしい教科書は買うかどうか迷ってたりも。表紙にあるように「新教養としてのパソコン入門」といった内容でした。


新教養としてのパソコン入門 コンピュータのきもち誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか