永山薫エロマンガ・スタディーズ』を読む。『網状言論F改』に載っていた文章がとても面白かったので迷うことなく購入。もっと早く読みたかったのだけれど、あんまりお店に置いてなくって、発売直後にここなら置いてあるだろうと中野タコシェに行くも手に入らず、「見かけたら買おう」と思いながら最近に至っちゃったり。渋谷ブックファーストになら置いてあるだろうから近くに寄ったら買おうと決めていたのだけれど、先日またタコシェに足を踏み入れたら入荷していた。うぅぅ、出たらすぐ置いてよぉ〜って思いながらレジへ。

読んだらやっぱ面白くって止まらない。まえがきから痺れちゃいましたよー。がっちりエロ漫画が紹介されている一方、手塚治から語り始められ、『苺ましゅまろ』や『ガンスリンガー・ガール』という一般的な商業誌で連載されている作品で締めくくられていたのが印象的でした。また、この前読んだ『エロの敵』や『出版業界最底辺日記』などでジリジリと感じられたエロ産業の衰退という状況については。それを認めつつもことさら強調してはいなく、非常に割り切った受け止め方をしていることに、エロマンガに対する強い愛情を感じました。

一番興味を持って読んだのは「ジェンダーの混乱」の部分。最近ゲイカルチャーが凄いことになっていると感づき、ネットで次々と出されていくDVDのサンプルなんか見て、うわわわわわっ!と驚きつつも色々考えさせられたりしている。エロマンガのショタというジャンルもそこと無関係ではないんだろうなぁと感じながら、これからは異性の性的魅力に飽きた人々が同姓のそれも積極的に受け止めて消費していくようになるのでは?などと勝手に想像していたのだけれど、仮にそうなったとしてもそれは相当先の話なんだろうな、となんとなく感じたりも。


エロマンガ・スタディーズ―「快楽装置」としての漫画入門