交通安全のために輝いている光でさえイルミネーションにみえてしまう今日この頃。クリスマスには何のいい思い出もないけれど、昨年ちょいとクリスマスの成り立ちってやつを調べたら、あんまりにも中身スカスカでお飾りだけがやたらきらびやかなもんだから、思わず好きになってしまった。んでもって、(騒々しさには欠けるけど)世界最大のお祭り日。ピークはまだまだ迎えてないんだろうな。

で、Sufjan Stevensの『Songs for Christmas』っていうボックスセットを購入。5枚組みだけど、一枚一枚にびっちり入ってはいなく実質二枚くらいのボリューム。それでも40曲以上の多彩なクリスマスソングが楽しめる。聴いててクリスマスソングとか言って結構なんでもありだなと思いつつも、最近良くかけっぱなしにしている。



渡辺一史『こんな夜更けにバナナかよ』読了(ブックオフにて100円で購入)。いろんな賞を貰っているそこそこ有名なドキュメンタリー本。ほとんど体が動かない障害者、にもかかわらず「ワガママ」と思われても自己主張し続ける鹿野さんと、それをサポートしてきた沢山のボランティアを追う介護モノ。なのだけど、これがとっても変な本だったりする。

当初は①鹿野さんがこれまで歩んできた人生を振り返るような本になる予定が、段々と②ボランティアの人々に興味を奪われ、それを見ているうちに③著者自身の介護感というものが何度も揺さぶられることになる。面白いのは①と②の話しと思いきや、実は③がメインになっているところだ。

構成がすごくうねうねしていて、時間が頻繁に進んだり戻ったりする。①②③と分けて語ってしまえばもっと短く綺麗にまとまったはずなのに、その三つをごちゃまぜにすることで同じことを何度も説明しなくてはならず反復が目立った。もちろんそれはわざとそうしているわけであり、それがこの本の不思議な魅力のひとつになっているのは確か。③という骨に①と②が肉付けられているという印象を持った。とにかく取り上げた対象だけでなく、ドキュメンタリーの書き方としても面白い。

結局介護も形の変わったコミュニケーションだったってオチ(?)なんだと思う。もちろん他のそれに比べ奇妙な偏りがあるのも事実。しかしそれだけに奇妙な人間関係が結ばれている。現代では回避されがちなガチンココミュニケーションが、そこでは避けられない道。とはいえ、最終的にはなんとかバランスをとらなければならない。一方の命がかかわっているので、衝突して喧嘩別れして「まぁしかたがない」にはならないのだ(本によると結構そういうことも多いみたいだけど)。その一方で衝突が大きければ大きいほど、(キツイけど)得る体験も貴重なことが多い。そこに魅力を見ることもできる。でもやっぱ極力避けたいよねそういうのは・・・・・・・ってことで長く残った人たちの多くは感情に折り合いをつけるんだけど、そのカタチも人様々で興味深いところ。


Songs for Christmasこんな夜更けにバナナかよ