我が家にはサンタの代わりにヤツが来た!

今月中旬に兄から「携帯電話なくしちゃったから、新しい番号教えとくわー」という電話があった。その時、「最近風邪気味で体調悪いんだよね・・・・・・」とこぼしていたらしく、母親の心配はこっちにまで回ってきて、「最近流行ってるらしいから気をつけなさいよ」との忠告があったのを覚えている。

数日後、兄から再び電話が。受話器はまた母が取った。風邪はまだ完治していないようで声はまだガラガラ。しばらく世間話をしたあとで、「相談があるんだけど・・・・・・」と静かに切り出してきた。「仲の良い社員の人と一緒にに会社の金をくすねてしまったんだけど、それがバレそうでやばい」、「至急まとまったお金が必要なんだ」といったアレな話。

しかし母親は金に厳しい人なので、「自分で会社に言って謝罪しなさい」と跳ね返した。さらに兄は「もう間に合わないんだ! 手遅れなんだ!!」と迫ってくる。だが、「一度うまくいったら癖になるから、相応の罰を受けなさい」と譲らない。諦めた兄の捨て台詞は「もういい! 消費者金融で借りるからな!!」だったそうな。

お気づきでしょうが、この兄は偽者の俺俺さんなのであります。母は散々言い合いした後電話を切り、父親に連絡をし「どうしようかー、直接頭下げに着たら考えてやろうか」などと相談している時に、「そう言えば携帯なくしたっていってたから、番号教えておこうか・・・・・・あっ! まさか!!」という具合に偽者の存在に気づいたらしいのです。

その後すぐ、なくしたはずの兄の携帯電話に連絡をし、「んなことするワケねーだろ!」と本物に怒られたそうな。興味深いのが偽者との激しいやり取りの中で母が、「こんなのまるで俺俺サギみたいじゃないの!」と何度も口に出したってこと。ありがちなパターンとそれとを結びつけるところまではいっているのに、なぜだか騙されてしまう。

つっぱね方でご理解いただけるように、比較的しっかりした人なのだが、(一応だけれど)騙された。子供のいない自分には、この親→子の奇妙な結びつきは想像するしかないけれど、自分が思っているよりも根深く絡んでいるのかもしれない。それとも電話によるコミュニケーションを信用し過ぎているとこが盲点なのだろうか。名前を先に出せば多少声が似てなくても自動的に記憶で補完してしまうのかもしれない。

自分は電話嫌いなので、極力声だけのやりとりは避けている。なんで嫌いなのか?と改めて考えてみると、「やりとりしている情報が少なくてすぐ飽きるから」っていうのが主な理由なのかもしれない(正直、ハッキリとしたところは自分でもよくわからない)。対面して話すのは何時間でもいけるんだけど、電話はキツイ。なんかイライラする。

とにかく、脳トレを薦めることすら無駄に思える鈍い人だけが、俺俺さんに引っかかるんじゃないってことはわかった。彼らがやたらせかすのも、一旦冷静になられたら負けだってことをよく理解しているからだろう。


サンタさん。たぶんあなたはいないんでしょうけど、あなたがプレゼント贈るという時期に、逆に根こそぎ盗んでいこうとるす輩がいるってことをお伝えたえします。できることならそんな彼らにプレゼントを優先的にあげてみてはいかがでしょうか? いえいえ、ウチは結構です。もちろん大胆に人に与えるほど裕福ではないのですが、勝手にもってかれるぐらいなら貰えないほうがましです。