■鋼錬おもしろいよ〜ん。漫画は売れているものがそれ相当の中身を伴っている稀有なジャンル、という話を以前聞いたか読んだかしたけど、『鋼の錬金術師』はそれを証明するかのようなブツだった。残念ながらその他書籍や映画(ゲームは微妙?)はそんな幸福な環境にないわけで、つい「売れてる=つまらネー」という公式を採用しがちになってしまう。

「ベストセラーがクソばかりでない証明」的なニュアンスで紹介されていた新書、福岡伸一生物と無生物のあいだ』をためにし読んでみたのだけれど、コレが真っ当な科学エッセイで、値段以上に楽しめたと断言できる良書!だったりするのでややこしいことこの上ない。

出版不況とか言われる現在。その理由は(いいわけを含め)挙げればきりがないけど、そのひとつに「多すぎてどれ買ったらいいかワカンネー」というのが確実にある。だが、

――さぁご自由に選んでクダサイ。色々取り揃えてマスヨー。品数には自身がアリマス、頑張リマシタ!

という状況に対し、

――そんな紙の山ん中から選ぶ暇なんてねーんだよ!
――何がエコだ馬鹿野郎!!
――俺はヤギじゃねぇ!!!

などといったストレート且つ正当な反発は見られず、その代わり日本国民の大多数は、なんとなくテレビや口コミで知った情報を元に、買ったり買わなかったり、買って読んだり読まなかったりしてブックオフに売ったり売らなかったりする。

最近はネットのおかげで、お気に入りのブロガーが推薦しているから、とか、アマゾンのコレを買った人はこんなモノも買っていやがります、だからお前様もコレに金を払えばいいと思う、っていうか嫌でも購入するべきだ、義務としてッ!的なサービスを利用して本に辿り着く人も多いと思われる。

自分もそのような輩のひとりなので「もう雑誌や新聞の書評なんていらないじゃん、体外つまんねーし」などと思っていたのだけれど、インビテーションという、普通っぽいけどまじまじ見たら意外と変な雑誌に、地味にすんごい連載があったのでビックリした。

栗原裕一郎さんという方が毎月150冊近く出る新書をわざわざ全部チェックし、その中から「ハズレではない」10冊を選ぶという、真似したくないしそもそもできそうにない重労働連載。昨年末から参考にし始めその結果、毎月ちょこちょこ新書を読む習慣が出来上がってしまった。

こういう連載こそ雑誌など体力のあるとこがやるべき連載だと思う。まったく同じやり方であと3人くらい他の雑誌で連載してもいい、というかそれくらいはやってしかるべきだ!とすらだんだん思えてきた。範囲を決めて全部読む、話はそこから。コレが基本になるべきで、色んなジャンルで同じようにもがき苦しみながら振るいにかけまくればいい。それ以外はむしろいらん、ネットで間に合っている。

気にしはじめると新書ってホント変な市場。似ているのは上っ面だけで、中身は異常なまでに多様性に富んでいる。さすがボーイズ・ラブと同程度の冊数を毎月出しているだけありますな。ちなみにさっき『日本の10大新宗教』を読み終わり、これから『食育のススメ』を読む予定(影響受けまくりー)。