■そうでした。本読みのくせに、この俺様が読んでやった本の中で昨年度ベストワンは!的なことをまだ書いていませんでした。うっかり善人ぶるところでしたよ。ブログなんてやっているんだったら、こういうことは頼まれもしないのに自作自演しなくてはいけません。

さぁさぁお待ちかねの、「コマツさんのベストワンこれだワン2007」の時間がやってまいりました。コレだけが楽しみで今まで生きてきた方もおられるでしょう(良かったですね、明日さっそく死ねますよ)。はいはいみなさん、ドキドキしますねー、ワクワクしますねー。小説だとか小説じゃないのだとか、薄いのとかペラいのとかそれなりの厚さのとか、いろいろ様々もりもりバクバク読んできた2007年。コマツさんが選んだ珠玉の一冊は・・・・・・、『今日のごはんは?』です!!

いやー、驚きましたね。まさかの料理本です。だってスゲー使ったし、今なお使いまっくってるんですもの。600近いレシピが載っているにも拘わらず、そんなに厚くないのでとても使いやすい。そして大変うまいときてる。食生活が変わって自ずと人生も変わりました。かなり売れている本らしいけど、その割にはほとんどの書店でみかけないのが残念。かなり使いこんできたので、新たに一冊料理本を買い足そうと思っているのだけれど、このレベルはまー見つからないですね。



■といわけでコマツさんは毎日のように料理を作っている。これはもちろん「尻にひかれる準備はできている」という異性に対するアッピールである。さぁ乗りなさい腰を下ろしなさいと、コマツさんはよつんばいになって、つまり人間椅子になって座る者を待っているのである。雨の日も風の日も、雪が降ったあんな日も、このスタイルで耐え忍んできたにも拘わらず、誰も腰を下ろさないどころか、片足を乗せて靴紐を直そうともしない。おかしい。

ついに、世の女性たちがカッチカチに押し固めたチョコレートを、気になる男性に勢いよく投げつけるというデンジャラスな日も過ぎてしまい、耐え忍ぶ男を気取っていたコマツさんも、さすがに何か策を練らなければと考えるに至った。その結果、

愛されるよりも愛したい本気(マジ)で!

というキンキキッズの名曲から引用した言葉を立て札に書き、それを横にきっちりと置いて、再びよつんばいのポーズで運命の人を待つことにした。今までは単に、変なカッコウを好んでしている可哀相な人、だと勘違いされていたのだろう。あのインパクトのある言葉を添えれば、私の真意がちゃんと伝わるはずだ。これで間違いない。そもそも城のように至れりつくせりな私を、拒む理由などまったく見当たらないのだ。この背中に腰をストンを落とせば一城の主になれる。もはや「誇らしい」の域に達しているではないか。そうだ、未だ会えぬその運命の人が現れた時、敬意こめてその方を〈殿〉と呼ぼう。そうしようそうしよう。殿ーっ、私奴はいつまででも待っておりますぞーっ!!

そんなこんなで何も起こらず3年が過ぎた。インドで手を上げ続けるという苦行に励んでいる修行僧と同じように、よつんばいの格好をしつづけたコマツさんはそのカタチのままコチコチに固まってしまっていた。もはや吐息にのせて、殿ぉ、殿ぉ、という短い祈りを口にすることしかできない。準備だけ整えたところで、愛する気満々なところで、動き出さなきゃはじまらないぜっ!という当然のことに気づいたときにはもう手遅れだった。

もうこうなったらあの幸福の王子のように、ツバメさんに私の価値ある部分をそれを必要としている人に届けてもらうことにしよう。あらゆるものがもう私にとってもう不要なのだ。奉仕の精神、リサイクル、素晴らしいではないか・・・・・・、そう開き直ってみたものの、このヘンテコな姿ではツバメなどという繊細な野鳥が寄り付くはずがない。ある日、ゴミ漁りに飽きたカラスが一匹、コマツさんの背にとまったので、「嗚呼、もうお前でもかまわない、好きなものをもっていっておくれ」と囁いたものの、そのカラスは2、3度脊髄の辺りを啄ばむと、「いらんわ」と言うがごとくクワーとひと鳴きして飛び去ってしまった・・・・・・


ここまでノリで(架空の)自分を追い込んでみたものの、もはや救い出せる気がしない。どうしようコレ。読み直すと単なる思い付きでは済まない感じがかなり怖いんだけど・・・・・・ま、いいか。ほおっておこう。