待ってください。何でですか。ちょっとでいいんです。もう少しここに居させてください。お願いします。お願いしますから待ってください。もう少しだけ、もう少しだけでいいんです。何も悪いことしてないです。なんで。なんでですか。もう少しだけ、もう少しだけ・・・・・・

母親は息子の手をとり、絵本のコーナーから引っ張り出そうとしている。その息子は上記のような言葉使いで母親に訴えかける。

子供は、親よりもつるんでいる者たち(主に友達)の影響を強く受けると聞くが、その子はまだ親の影響下から逃れなれないほど幼い年齢だった。きっと親の話し方をまねて、自然とそんな口調になったのだろう。

待って。なんで、なんでぇ。ちょっとでいいからぁ。ねーちょっとでいいからここに居させて。お願いぃ。お願いだからぁ。もうちょっとだけ、もうちょっとだけだからぁ。何にも悪いことしてないでしょ。なんで。なんでぇ。もうちょっと、もうちょっとだけ・・・・・・。

であったならば、「ガキ特有のワガママ」として切って捨ていたところだろう。だが最初の様に、丁寧な言い方で、さらに子供の声で同じこと言われると、なぜだか同情してしまうのが不思議だ。

言葉使いって恐ろしいですね。