鈴木先生』の6巻が凄いことになっている。常日頃正しさを説く鈴木先生が、できちゃった→婚をすると知った一部の生徒が激しく動揺。先生囲みクラス討議をすることに。恋愛セックス結婚、議論は白熱しまくり言葉でクラスメイト同士が傷つけ合ってみんなズタボロ。凄い、凄いよ鈴木さん!

けれど、そこまでやってもまだ語り足りていないと感じるのは自分だけだろうか(まだ終わってないけど、「結婚」が比較的簡単にスルーされた気がする)。それだけ面倒なネタってことは理解できるし、面倒すぎて今まで誰もまともにやろうとしなかったって点でも素晴らしいと思う。言ってしまえば今まで『鈴木先生』が扱ってきた問題は全部そう。凄い!と驚嘆すると同時に、納得できないところもなくはなかった。

漫画家武富健治は毎回、様々な思いを持った生徒に囲まれ発言しなければならない今回の鈴木先生のように、多様な読者に囲まれながら描かなければならないのですな(凄まじい入れ子構造!)。そういった意味でこの巻はこの漫画を象徴している感じがした。